コラム

片頭痛(偏頭痛)と緊張型頭痛が併発するメカニズムとその対処法

2020.01.30

片頭痛と緊張型頭痛の区別

あなたの頭痛は分類できそうですか?

よく、頭痛について調べると、片頭痛・緊張型頭痛・群発頭痛と3つのタイプに分類して説明されている解説を目にすると思います。しかし、片頭痛と緊張型頭痛の区別は意外とつけにくいものです。あなたは、ご自分の頭痛がどちらのタイプか判断できますか?実際には、片頭痛と緊張型頭痛は併発しやすい症状です。また、緊張頭痛によく似た片頭痛や、その逆で片頭痛によくにた緊張型頭痛というのも起こりえます。

区別が難しいと、薬選びに悩む

片頭痛は、メカニズムが徐々に明らかになってきており、有効な頓服薬(発作が起こった時にそれを抑えるために飲む薬。)があります。片頭痛が起こっているのか、緊張型頭痛が起こっているのか区別が難しく片頭痛の頓服薬を飲むかどうかの判断がむつかしかったりしませんか?ある意味では、併発している可能性をはじめから念頭において対処していった方がいいかもしれません。

この記事では、なぜ片頭痛と緊張型頭痛は併発するのかについて考えます。また、併発しているとしたらどのような対処法を取るべきかを考えます。

片頭痛とは?緊張型頭痛とは?

あらためて、片頭痛と緊張型頭痛について、簡単に確認してみましょう。すでにご存じの方も軽くおさらいしてみましょう。

ポイント:
片頭痛=セロトニンの過不足による血管の拡張
緊張型頭痛=肩こり・首こりに関わる筋肉が発生する痛み物質

片頭痛(古くは偏頭痛)

症状の特徴は拍動性の痛み

片頭痛は動脈の拍動リズムにあわせて、ズキンズキンという痛みを感じるのが特徴です。場所としてはこめかみ周辺に感じることが多いようです。ちなみに、左右どちらか片方の場合も、左右両方の場合もあり、いずれも「片頭痛」といいます。

セロトニン枯渇による血管の拡張

したがって、なんらかの原因で、こめかみ周辺の血管が拡張してしまうことが片頭痛の直接の原因になっています。しかし、血管が拡張する原因にはいくつかの仮説があります。有力な仮説のひとつにセロトニン・三叉神経説が知られています。ヒトの血液中にはセロトニンという物質が流れています。セロトニンは、ホルモンでもあり、同時に神経伝達物質でもあります。

「うつ病はセロトニンが足りない」ということをきいたことはありませんか?この場合のセロトニンは神経伝達物質としての働きを意味しています。一方、ホルモンとしてのセロトニンは動脈を収縮させるという働きがあります。ヒトはストレスを受けると、血液内の血小板がセロトニンを放出します。それによって、周囲の血管は収縮します。つまり、ストレスによって血管は収縮するというわけです。

たとえば頭の中を通過する主な動脈のひとつである内頚動脈など、主要な動脈の中で、血小板からセロトニンが大量放出されたとします。このとき、いったん動脈は収縮しますが、しばらくすると、セロトニンがその役割を終えて、一斉になくなります。すると、セロトニンによる収縮の反動で、今度は動脈が一気にゆるみ拡張します。

痛みを感知するのは「三叉神経」

このとき、図のように、動脈の周囲にうっそうとまとわりついている三叉神経が引っ張られるような刺激を受け、その信号を脳に伝えます。この信号が最終的に意識にまで届くと「痛み」となってあらわれます。これが片頭痛と呼ばれる頭痛となります。

片頭痛が内頚動脈周囲の三叉神経によって起こる様子

緊張型頭痛

痛みの発生源は、肩・首のまわりの筋肉

緊張型頭痛の方は、主に筋肉が痛みの発生源となります。たとえば、下図のような筋肉です。(僧帽筋・側頭筋・後頭筋)

緊張型頭痛を引き起こす代表的な筋肉

その他深部には、もっと細かい筋肉がいろいろとありますが、複雑になるのでここでは触れません。

筋肉は血流と酸素の不足が続くと痛み物質を放出する

さてこれらの筋肉は、ストレスにより、肩こりなどが積み重なると、常に血流不足・酸素不足の状態になります。このとき、筋肉内部から痛みを起こすブラジキニンなどの物質が放出されます。筋肉痛とよく似たメカニズムです。

痛みを起こす物質は血流にのって、近くのその他の筋肉へと広がっていく
⇒その結果、頭の周辺の筋肉にも痛みが生じる
⇒これが頭痛となる
というわけです。

でも肩こりがあれば緊張型頭痛、とは言い切れない

ところがやっかいなことに、片頭痛の場合でも肩こりを生じることは珍しくないのです。ですから、肩こりの有無を基準に緊張型頭痛であるかどうかを決められないという難しさがあります。

ひとつの判定法として、いわゆるツボのような、筋肉の圧痛を感じやすい箇所に対して、あえて圧力をかけてみる(指などで押してみる)。このとき、通常以上に激しい痛みを覚えるようであれば、少なくとも緊張型頭痛が絡んている可能性があります。

ここまでで、片頭痛、緊張型頭痛、それぞれの頭痛のメカニズムがおわかりいただけたでしょうか?
ここから、片頭痛が先行して緊張型頭痛が起こる場合、緊張型頭痛が先行して片頭痛が起こる場合について考えてみたいと思います。

片頭痛から緊張型頭痛へ

片頭痛が起こっているとき、三叉神経が刺激され、三叉神経核に信号が届いています。この信号は、同じ延髄の中にあるその他の神経核、たとえば副神経核などにも波及します。

片頭痛に関連する三叉神経核と緊張型頭痛に関連する副神経核の位置関係

副神経核は僧帽筋などの、肩首周辺の筋肉を緊張させる神経です。それが興奮することで、筋肉に緊張が起こり、緊張型頭痛へとつながります。

また、片頭痛による痛みの刺激は、交感神経を興奮させ、これも背骨周り、つまり首や肩周辺の筋肉を緊張させますので同様に緊張型頭痛につながります。

片頭痛から緊張型頭痛へとつながるメカニズム

緊張型頭痛から片頭痛へ

緊張型頭痛においても脳の興奮が認められる

まだはっきりとしたメカニズムは特定されていませんが、欧米では、すでに緊張型頭痛の裏には慢性的な脳の興奮状態があるのではないかと考えられています。これは、脳神経全般を過敏な状態にする可能性があり、三叉神経もそのひとつに含まれます。もしそうだとすると、緊張型頭痛を慢性的に発症していることにより、徐々に片頭痛も併発し始める可能性があります。

このように、いまや、従来のように片頭痛と緊張型頭痛はまったくの別物という説が退けられつつあります。そのかわりに、片頭痛も緊張型頭痛も、慢性化すると、脳や神経を過敏な状態にしてしまうという点で根底においてつながっていると考えられます。したがって、片頭痛と緊張型頭痛、双方の特徴をあわせもつ頭痛が出ていてもまったく不思議ではないのです。

このような場合には、どのような対処をするのがいいのでしょうか?以下で考えてみたいと思います。

緊張型頭痛から片頭痛へとつながるメカニズム

片頭痛は長期的に見ると危険!脳梗塞のリスク回避のためにもまずは片頭痛の薬を手に入れましょう

まず、片頭痛をお持ちの方は、急場の発作的な頭痛を薬で抑えて生活することが前提です。片頭痛に関しては、かなり有効な薬があります。それは、効果的に三叉神経の発作的な緊張を抑えてくれます。頭痛外来などの専門医に適切な薬を処方してもらいましょう。

薬を使わずに、片頭痛の発作を我慢し続けていると、後頭部周辺の脳梗塞のリスクを増大するという報告があります。逆に、片頭痛の発作をトリプタン系の薬で抑えていると、脳梗塞のリスクは人並みに保つことができると報告されています。このような将来的な危険性も併せて考えると、片頭痛に対して有効な薬をまず使っておくことは必要です。

ただし、片頭痛に良く似た症状のように思えても、緊張型頭痛を併発している場合、片頭痛の頓服薬を飲んでもきかない場合も出てきます。「閃輝暗点」に代表されるような、視覚、聴覚、嗅覚などにおける片頭痛の前兆を感じる人であれば、片頭痛の判断は容易でしょうが、前兆を感じない人であれば、片頭痛と緊張型頭痛の区別はなかなか難しいですね。

疑わしい場合は、とりあえず片頭痛薬を使っておく方がいいでしょう。(お医者様の指示にしたがってください。)そのうえで、緊張型頭痛がどうしても後を引いてしまう場合には、目を休めて、肩こりをやわらげる工夫をしてください。

片頭痛⇒トリプタン系などの適切な薬を頭痛外来で
緊張性頭痛⇒肩こりの緩和を中心に対処

どちらの頭痛も、結局は脳と神経の過敏症。ボディーセラピーでアプローチできる

片頭痛には薬の重要性を強調させていただきました。とはいえ、いつまでも薬に頼りたくない、という思いは、現代人なら誰にでもあると思います。薬や、消化器や肝臓に負担をかけますし、単純にいって、いつも薬を持ち歩くというのはある意味不便です。

また、薬が効果を発揮していないと感じる方も多くいらっしゃいます。やはり、片頭痛といっても、単一のメカニズムで起こっているとは限らないからです。ある特定の痛みの経路だけを遮断しても不十分ということはあり得ます。

さらには、緊張型頭痛が先行している場合は、なかなか有効な薬というのも難しいのではないかと思われます。

そこで、ここからは長い目でみた、体質改善的対処法を考えていきます。つまり、頭痛が起こりやすい体質を変えていくための方法です。

長い目でみた対処法のキモとなるのは、延髄に存在する三叉神経や副神経といった片頭痛・緊張型頭痛に関わる神経の核です。これらの働きが安定し、ちょっとやそっとのことでびっくりして暴れだすようなことがなくなれば、緊張型頭痛も片頭痛も頻度が減り、痛みの程度も弱くなります。

そのためには、これらの神経に「安心感」となるような刺激を与えることが有効です。そのような刺激を繰り返し受けていると、神経を丈夫で安定な性質に変えていくことができます。泣く子をあやすイメージです。暴れている子も愛情を十分に注いであれば徐々に落ち着き、安定します。

では、その「安心感」はどうすれば与えることができるのでしょうか。

それは末端の感覚受容器=センサーから入力していくことができます。神経に信号を伝えるセンサーです。たとえば、腸や胃などの消化器内部の炎症、背中のこりやすい筋肉の緊張、骨の深部で感じる意識することのできない微妙な不安定などなど。このようなところには、敏感なセンサーがあり、状態が悪いと神経に「不安感」を与えます。それが絶えず、感覚受容器に入力され続けているのが、頭痛を起こしやすい人の特徴です。

脳に不安や不快感をおよぼすストレスの元

こういった感覚を少しずつ変えていくことで、「安心感」が感覚受容器を通して神経に伝わります。具体的には、消化器の炎症を抑える施術や、骨の中でも特に敏感な関節周囲の調整を行います。これを続けていると、徐々に安心感の学習効果が神経に蓄積されていきます。すると、神経が自己回復能力を発揮し始めます。そして、ちょっとやそっとの環境の変化で、過敏に痛みを起こさない、安定な神経へと変わり始めます。

もちろん、緊張型頭痛のもととなる、肩こりや首のこりも問題です。

そのため、首、背中、腰の骨格バランスも改善しなくてはなりません。なかでも、後頭部における頭蓋骨と首の接合部分周辺のバランスは非常に重要です。

また、気を付けなくてはならないのは、顎です。

歯のかみ合わせの悪さや、首をかしげる癖のある方は、顎の位置も左右で歪みがあります。実は、顎を支える筋肉はこめかみの方までつながっており、頭痛の感覚を助長します。(目の疲れやすさにも影響します)このような顎の歪みも、首の骨から整えていけば、徐々にいい位置に収めていくことが可能です。

顎と首の骨(頚椎)の歪み

世田谷区下高井戸駅ちゅうしん整体院の頭痛ケア整体

当院で頭痛でお悩みの方のために行う整体では、3~6カ月の体質改善を目標にして、いい状態を保てるようになっていきます。早い人は、2,3ヶ月で良くなっていくこともありますが通う頻度や体質も関係しますので一概にはいえません。はじめの2,3ヶ月は、山あり谷ありかもしれませんが、それでもいろいろな体の感覚の変化を体験することになると思います。6カ月くらいの期間をイメージしておくといいかもしれません。

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