コラム

頭痛と関連痛 痛みの発生源は痛いところにあるとは限らない

2019.12.17

頭痛って、痛い場所がどこだかはっきりわからなかったりしますよね。2つの理由が考えられます。

  1. 神経が炎症物質を出すことによって、痛みを広範囲に広げてしまっている
  2. 痛みの発生源は、脳が痛いと思っている場所とは別のところにあったりする

この記事では2つめの内容についてとりあげてみたいと思います!

脳には傷がついても痛みを感じない

頭痛は、頭の内部が痛いと感じることもあれば頭蓋骨より外側(表面)が痛いと感じることもあると思います。あなたの頭痛は、どちらが多いですか?

頭痛を感じるのは、頭蓋骨の中ですか?外ですか?
あなたの頭痛は、頭蓋骨の外に感じますか?中に感じますか?

たとえば、脳そのもの(=神経細胞のかたまり)には、痛みのセンサーがついていないことはご存知でしたか?脳そのものは、切っても焼いても痛みを感じないのだそうです。

脳そのものは痛みを感じない
脳は切られても痛くない??

でも、脳の表面にはこんなものがついています。

  • たくさんの血管がはりついている
  • 表面を保護するように薄い膜(硬膜)が覆っている

これらは、痛みを感じるのです。 もし脳の表面をつつくときに、これら血管や膜のセンサーに刺激を与えてしまうと痛みは出ます。そこは勘違いのないようにお願いします (^^;

それらをきちんとよけて、脳そのものにだけ刺激を加えたら、痛みは起こりません。

それから、頭蓋骨の骨そのものにも痛みのセンサーはついていません。ただし、その表面にはりついてる血管や薄い膜(硬膜)にはついています。

痛みを感じる場所はあてにならない

さて、頭痛を感じるセンサーは、頭蓋骨の中にも、外にもついていますが

我々が痛いと感じる場所は、あてにならないこともあります。

というのは、痛みの発生源と、脳が痛いと認識する場所は、食い違うことがあるからです。 たとえば狭心症の発作では、左の肩どころか、奥歯やのどまでもが痛くなることがあります。心臓からかなり離れたところに痛みが感じられるのですね。このように、障害された場所とは違う場所に生じる痛みを「関連痛」といいます。

狭心症では、関連痛がのどや奥歯にまで出ることがあります
関連痛の例:狭心症の場合

皮膚なら、傷ついたところがどこかを正確に認識することができますが、内臓や血管の痛みセンサーは精密さに欠けており、うまく痛みの発生源を特定できません。

このとき脳は、正しい位置を把握できず、違う場所に痛みを感じたと判断してしまうのです。

頭痛でもこれと同じことが起こっています。たとえば・・・

  • 耳の周りが痛い
  • こめかみが痛い
  • 目の周りが痛い
  • 目の奥が痛い
  • おでこが痛い
  • 後頭部が痛い

いずれも、痛みの発生源とは違う場所に痛みが出ているのかもしれません。これらは、関連痛が出やすい場所なのです。

あなたの頭痛はどこに出やすいですか?
代表的な頭痛の出やすい場所

では、実際にはどこに痛みの発生源があるのでしょうか?

頭蓋骨の内側についている痛みのセンサー

頭蓋骨の内部のどこを刺激すると、外部のどこに痛みを感じるかを確かめた実験例があります。

そのような実験の結果が共立出版 横田敏勝著 『脳と痛み-痛みの神経生理学』 (図3.16、図3.17、図3.18) にまとめられています。ご興味があれば、是非ご一読ください。頭痛に限らず、体に起こるありとあらゆる痛みについて、原理から臨床まで詳しく網羅されている名著です。

話をもとに戻します。頭蓋骨内部で痛みを感知できる組織についてみてみましょう。まずは、血管や膜が該当します。

頭蓋骨内には、骨の内側にへばりつくようにして「硬膜」という膜や、その表面に流れる動脈があります。

<代表例>頭蓋骨内部にはりついている膜と動脈

  • 硬膜
  • 中硬膜動脈
  • 前頭蓋窩硬膜
  • 後頭蓋窩硬膜
  • 小脳テント
脳底部にある、痛みを感じる膜や動脈の図
脳底部の膜や動脈

これらの膜や動脈には痛みのセンサーがついています。もし、脳圧や血圧の上昇により、頭蓋骨内部の圧力が上がりこれらの膜や動脈に圧力が強く加わると痛みを生じます。

また、頭蓋骨内部には、静脈が何本も合流して大きなプール状の「たまり」になっているところがあります。これを「静脈洞」といいます。

静脈洞の代表例

  • 横静脈洞
  • 矢状静脈洞
  • 海面静脈洞
脳底部にある主な静脈洞を示した図
脳底部に見られる主な静脈洞

これらの静脈洞や、そこに流れ込む主な静脈にも痛みのセンサーがあります。

脳底動脈が痛みを発するのはかなり危険なとき

脳への血流のおおもととなる、非常に重要な動脈で「脳底動脈」とうものがあります。首の内部を通って、脳の中心部分にまで達する動脈です。

脳底動脈を描いた図
脳の底を下から見上げた様子。赤い管が脳底動脈

脳へと達するすべての血液は、ここを通っていきます。もし、この動脈がダメになってしまうと、脳の大部分に血液が行き届かなくなり、命に関わります。

この「脳底動脈」にも痛みを感じるセンサーがついています。もし、脳底動脈が痛みの発生源である場合は、脳動脈瘤などかなり危険な状態になっている可能性が考えられます。 その場合は痛みの強さも、かなりの激痛となりますので、日常的なよくある頭痛とは、直感的に区別が可能です。逆にいえば、日常的なレベルの頭痛であれば、脳底動脈のような、頭の中心部の血管の影響は考えなくていいでしょう。ですので、この記事の本題からは、脳底動脈は除外して考えます。

頭蓋骨の外側についている痛みのセンサー

頭蓋骨の外側の動脈にも、頭痛の原因となりやすいセンサーがあります。中でも片頭痛の原因になりやすい動脈があります。それは「浅側頭動脈」という耳の前を通り抜ける動脈です。

浅側頭動脈を描いた側頭部の図
浅側頭動脈は耳の前を通って、こめかみから頭頂部へ抜ける

この動脈が、ストレスなどの要因で、過度に収縮した後、ストレスから解放されたときに、その反動で強く拡張すると、痛みのセンサーが働いて片頭痛を起こします。

ただし、片頭痛のすべてが、「浅側頭動脈」によるものではありません。頭蓋骨内部のその他の動脈が関与している可能性もあります。

もし、「浅側頭動脈」が主な原因であれば、この動脈を鉢巻で巻いて圧迫すれば、頭痛が軽減するはずです。片頭痛が出たときにやってみてください。それで軽減しない場合は、頭蓋骨内部に痛みの発生源があるかもしれません。

まとめ

いかがでしたか?意外と痛みの場所ってあてにならないものなんですね。頭痛薬を使いたくないと感じている方は、ためしに鉢巻きで頭痛がやわらぐかやってみるのも参考になると思います。

本質的にはストレスに対して体が、過敏な反応を覚えてしまっている状態が根本にあります。当院では、整体施術で頭痛の緩和のお手伝いをしています!本格的に治したいと思われている方も、そうでない方も、一度アドバイスもこみで施術を受けてみるのも参考になりますよ!お力になれれば幸いです(^^)/

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